2023年10月20日金曜日

Jazzanova / Funkhaus Studio Sessions


 Jazzanova はドイツのベルリンで結成された3人のDJ、プロデューサーのユニットで、Gilles Petersonと共に1997年レーベル Sonar Kollektiv を設立しました。このアルバムはその Sonar Kollektiv とお馴染み P-Vine からの発売です。サウンド的には Steely Dan 系のジャズやソウルを丁寧に大人向けのサウンドに仕上げてあります。DJが創った音楽ではありますが、本アルバムはプログラミングを排除した生音でありデジタルな感覚を感じるリアルな音が心を揺さぶります。DJのアルバムであると複数のボーカリストが起用されることが多いようですが、このアルバムでは Paul Randolph の1人となっており完全にバンドとして成り立っているのがわかります。


 アルバム名である Funkhaus Studio Sessions からわかるように、録音場所はベルリンの名門スタジオ、Funkhaus(ファンクハウス)にて制作されたものです。日本でのライブはは「ブルー・ノート 東京」「ビルボード・ライブ」でのライヴやフジ・ロック・フェスティバルに出演しているようです。
 さてレビューです。Let Me Show Ya は、最も Steely Dan 直系と言える曲で、このパターンは大好きです。作曲は Stefan Leisering 作詞は Paul Randolph で、サウンドの奥行きも深く、良くつくりこまれた名曲ですね。Theme From Belle et Fou 全て1曲目のようなサウンドかと思いきや、こっちは The Brand New Heavies 系のインスト。ジャズ・ファンク好きには、たまらん音です。I Human feat. Paul Randolph ボーカル曲で、これはシングルカットされているようです。こちらは Jamiroquai 系ですね。Look What You're Doin' To Me は、アーバン・ソウル系ですが、途中のラテンにチェンジするところは非常におしゃれ。Lucky Girl は、ボサ・ノバのリズムで軽快なジャズ・ファンクです。どれが本当の Jazzanova の音楽性なのか?目まぐるしく変わります。No Use、 No Use (Part 2) とアレンジ違いの2曲が続きます。1曲目はアコースティック多めのしんみりバージョン。次はエレクトリックなアーバン・ソウルバージョンです。ボーカルの Paul Randolph の言葉でないボイス非凡です。Flashback は、The Brand New Heavies 系です。総じてこっち系がこのバンドの本領かも知れません。Believer は、風変りな曲ですが、音使いはDJらしい楽曲です。 Little Bird は、ピアノのイントロから始まるバラード。こういった曲が聴かせられるのもなかなか器用なバンドであると感心させられます。I Can See は、ポップ・ロックですね。 Boom Clicky Boom Klack は、パーカッションのリズムとベースのみのイントロから始まりボーカルは中東系の音階を交えながらソウル系のようなトリッキーな曲。ワールド系でもないのが面白い。Fedime's Flight は、デジタルな重低音ベースがなり続けるインスト・エレクトリック・ポップ系で様々なアイデアがありすぎ。Let It Go で最後になりますが、リズムはThe Brand New Heavies 系ですが、進行はもっと複雑で Steely Dan も入りながらエレクトリックな感じもあります。このバンドの音楽性を集結させたようでもありコマーシャルな曲では無いですが良きかな。
 超技巧派集団と言われるのが納得のアルバムでした。ファンク、レアグルーブ好きなら絶対好きになる一枚であり、ジャズやソウルを丁寧に調理したクロスオーヴァー・サウンドで楽曲、音質、アレンジとも申し分ない良版🎵

vocals : Paul Randolph
electric piano (musser ampli-celeste) : Stefan Leisering (10)
synthesizer : Stefan Leisering (3)
electric piano (fender rhodes & wurlitzer), piano, harmonium, synthesizer, trumpet : Sebastian Studnitzky
bass : Paul Randolph
electric bass, double bass, percussion  : Paul Kleber
electric guitar, twelve-string guitar : Arne Jansen
computer (pc), percussion : Axel Reinemer
congas, bongos, percussion : Stefan Leisering
drums : Carl-Michael Grabinger
alto sax, tenor sax, baritone sax, flute : Sebastian Borkowski
trombone : Stefan Ulrich

producer : Axel Reinemer, Stefan Leisering
all songs recorded live at Studio P4 November 14th - 16th 2011

1. Let Me Show Ya
2. Theme From Belle et Fou
3. I Human feat. Paul Randolph
4. Look What You're Doin' To Me
5. Lucky Girl
6. No Use
7. No Use (Part 2)
8. Flashback
9. Believer
10. Little Bird
11. I Can See
12. Boom Clicky Boom Klack
13. Fedime's Flight
14. Let It Go






  

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